予防接種

インフルエンザ予防接種をした部分が、腫れたり痛むといった経験はありませんか?

インフルエンザ予防接種による副作用(副反応)は、大きく分けると以下の3つです。

  1. 接種した場所に起こる副作用
  2. 全身性の副作用
  3. アナフィラキシーなどの重篤な副作用

明らかな発熱がある方や、インフルエンザワクチンの成分によりアナフィラキシーを起こしたことがある人は、予防接種を受けることができません。

また、卵アレルギーの方や、妊婦さんは接種前に医師と相談が必要です。

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※副作用と副反応の違い

予防接種の副作用に関して調べると、副反応という言葉が用いられていることが多いです。

副作用と副反応にはどのような違いがあるのでしょうか?

「副反応」とは、ワクチン接種により免疫をつけることに伴って発生する、免疫の付与以外の反応です。通常の医薬品で言う「副作用」と同様の意味です。

出典:厚生労働省

「副反応」という言葉にはあまり馴染みがないですよね。
意味として大きな違いはないため、今回は「副作用」という言葉を用いて解説していきます。

インフルエンザ予防接種による副作用!死亡例も?

インフルエンザ予防接種による副作用は、大きく分けると以下の3つです。

  1. 接種した場所に起こる副作用(腫れ、痛み、赤み)
  2. 全身性の副作用(発熱、頭痛、寒気、だるさ)
  3. アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用

注射した部位の腫れや痛み、全身のだるさや発熱などは、実際に体験した人も多いのではないでしょうか。

インフルエンザ予防接種の副作用は、接種後24時間以内に発症することが多いですが、症状が重いものは1週間後に発症することもあります。(インフルエンザワクチンの副反応報告等の状況について|厚生労働省より)

では、それぞれの副作用について詳しく見ていきましょう。

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①接種した場所に起こる副作用(腫れ、痛み、赤み)

接種をした場所の腫れ、痛み、赤みなどは、インフルエンザ予防接種を受けた人の10~20%に起こる、非常に多い副作用になります。

対処法

接種部位に腫れや痛みがあると、冷やしたり薬を塗った方がいいの?と思うかもしれませんが、通常は何もしなくても2~3日で治ります。
そのため、特別な対処が必要という副作用ではありません。

しかし、耐えられない程の痛みや、何日たっても治らない場合は医師へ相談しましょう。

②全身性の副作用(発熱、頭痛、寒気、だるさ)

インフルエンザ予防接種による全身性の副作用としては、発熱、頭痛、寒気、だるさなどが見られます。
接種を受けた人の5~10%に起こる、比較的件数の多い副作用になります。

予防接種の後に発熱があると、「インフルエンザに感染した?」と心配になるかもしれません。

しかし、インフルエンザワクチンは不活性ワクチン(病原性を無くして作ったワクチン)です。
つまり、ワクチン接種が原因でインフルエンザを発症することはありません。

体内にインフルエンザウイルスの抗体を作るために、体の防御反応として、発熱や頭痛などの症状を引き起こしてしまうのです。

対処法

こちらも、基本的に2~3日で治ります。
以下の対症療法を行いましょう。

  • 安静にして体を休める
  • 脱水症予防のため、こまめに水分をとる
  • 自己免疫力を高めるため、体を温める(湯船につかる、温かい飲み物を飲む、など)
  • 熱が出ている場合、体温を下げるために、大きな血管が通っている”脇の下”や”足の付け根”を冷やす

高熱が出た場合や、水分がとれない、3日経過しても熱が下がらない場合は病院で受診してください。

また、咳や鼻水などの症状があれば、すでに風邪やインフルエンザにかかっている可能性もあるため、病院で受診しましょう。

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③アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用

非常に稀ですが、インフルエンザ予防接種の副作用として、アナフィラキシーショックが見られることもあります。

症状としては、発疹や蕁麻疹、かゆみなどの皮膚の症状のほか、呼吸困難や意識の低下などがあげられます。

こちらも非常に稀ですが、アナフィラキシーショックのほかに以下のような重篤な副作用も報告されています。


  • ギランバレー症候群
  • 急性脳症
  • 急性散在性脳脊髄炎
  • けいれん
  • 肝機能障害
  • 喘息発作
  • 血小板減少性紫斑病

※これらの原因がワクチン接種かどうかは、必ずしも明らかではありません。(インフルエンザQ&A|厚生労働省より)

対処法

アナフィラキシーショックは、接種後すぐに現れる場合が多いです。
そのため、接種後30分間は病院で安静にするか、医師とすぐに連絡が取れる状態にしておきましょう。

また、インフルエンザワクチンを作る際に、鶏卵が使われています。
重篤な副作用をさけるためにも、卵アレルギーの方は問診票にその旨を記入し、医師の判断に従いましょう。

インフルエンザ予防接種による死亡例は?

重篤な副作用が起こりうるインフルエンザ予防接種ですが、死亡例はあるのでしょうか。

残念ながら、インフルエンザワクチンの接種後に死亡するというケースが、毎年1~3例ほどあります。

しかし、これは予防接種を行った医師が、インフルエンザワクチンが原因で亡くなったであろうと報告した件数です。

この報告に対し、専門家による評価を行ったところ、亡くなった方のほとんどが基礎疾患等がある高齢の方で、予防接種が直接的な原因であると認められた例はありません。(インフルエンザQ&A|厚生労働省より)

副作用のリスクがあるのに予防接種は受けた方がいいの?

疑問

接種部位の腫れ、痛み、赤みなどは予防接種を受けた人の10~20%に起こり、発熱、頭痛、寒気、だるさなどの全身性の副作用は5~10%の人に起こります。

そして、副作用の中にはアナフィラキシーショックなどの重篤な症状もあります。

そのようなリスクがあるにも関わらず、インフルエンザ予防接種は受けた方がいいのでしょうか?

驚くかもしれませんが、インフルエンザ予防接種に感染を防ぐ効果はありません。
実は、インフルエンザ予防接種を受ける目的は、感染を防ぐことではなく、発症や重症化を防ぐことにあるのです。

インフルエンザに感染して発症したとしても、健康な成人の場合は安静と対症療法で治る場合がほとんどです。

しかし、高齢者や小さい子供、慢性的な疾患を患っている人は、肺炎やインフルエンザ脳症など、重症化するリスクが高くなります。

つまり、発症や重症化を防ぐためにも、予防接種を受けることが推奨されているのです。

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インフルエンザ予防接種を受けられない方

インフルエンザの発症や重症化を予防するために、予防接種が推奨されています。
ただし、以下の方は予防接種を受けることができません。


  • 明らかな発熱がある方(一般的に、体温が37.5℃以上の場合を指す)
  • 重篤な急性疾患にかかっている方
  • インフルエンザ予防接種に含まれる成分によって、アナフィラキシーを起こしたことがある方

その他にも、医師が許可しなかった場合は、予防接種を受けることが出来ません。

予防接種を受けられるか医師と相談が必要な方

発熱や急性疾患がなく、インフルエンザ予防接種の成分によるアナフィラキシーを起こした経験がない人でも、以下の方は、予防接種を受ける前に医師と相談が必要です。


  • 心臓血管系、腎臓、肝臓、血液、その他慢性の疾患がある方
  • 予防接種で接種後2日以内に、発熱や発疹などのアレルギーが現れたことがある方
  • けいれんの既往歴がある方
  • 免疫不全の診断をされたことがある方
  • 間質性肺炎、気管支喘息などの、呼吸器系の疾患がある方
  • 鶏卵、鶏肉など、鶏由来のものにアレルギーがある方
  • 妊婦さん、もしくは妊娠の可能性がある方

以上に当てはまる方は、医師にその旨を相談し、予防接種を受けるかどうかは、医師の判断に従いましょう。

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副作用は接種後24時間以内が多い!予防接種後の注意事項!

インフルエンザ予防接種の副作用は、接種後24時間以内に起こることが多く、アナフィラキシーショックに関しては接種後30分以内に起こることが多いです。

予防接種を受けた当日は、以下の5つに注意しましょう。


  1. 接種後30分間は、病院で安静にするか、医師とすぐに連絡が取れる状態にしておく
  2. 入浴は問題ないが、注射した部位をこすらないようにする
  3. 接種部位を清潔に保つ
  4. 激しい運動や過度な飲酒は避ける
  5. 接種後24時間は体調の変化に注意し、異常を感じた場合は病院へ

まとめ

インフルエンザ予防接種の副作用としては、注射部位の腫れや、軽い発熱、だるさなど、2~3日で治る場合がほとんどです。

しかし、中にはアナフィラキシーなどの重篤な副作用もあるので、接種後は全身状態の観察をしっかり行いましょう。

ワクチンに副作用はつきものですが、ワクチン接種によって重症化のリスクを下げることができます。
予防接種を受けておけばよかった・・・と後悔しないためにも、インフルエンザ予防接種は受けておいたほうがいいでしょう。

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[参考文献]

病気がみえる vol.6 免疫・膠原病・感染症|メディックメディア

系統看護学講座 専門分野 2 成人看護学 11 15アレルギー 膠原|医学書院

系統看護学講座 専門基礎分野 疾病のなりたちと回復の促進[3] 薬理学|医学書院

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